マーケティング
商品の新しい販売方法やチャネルを見出し、新しい販売先を見つける活動です。チャネルは 、「コミュニケーションチャネル」「流通チャネル」「販売チャネル」の3種類があり、販路開拓の際には、これらの3つのチャネルを複合的に組み合わせます。
コミュニケーションチャネル
消費者に商品やサービスを認知してもらい、必要だ、欲しいと思ってもらうためのメディアです。
(例)テレビ、雑誌、ラジオ、新聞等のマスメディア、インターネット、SNS、ダイレクトメール、ポスティングチラシ、看板など。
流通チャネル
商品やサービスを消費者に届けるためのチャネルです。
(例)卸売企業、流通サービス提供会社など。
販売チャネル
商品やサービスを消費者に販売する場を指します。
(例)レストラン、小売店、ECサイトなど。
マーケティングは、(1)販売する商品やサービスの分析、(2)顧客ニーズはどこにあるかを分析、(3)複数の選択肢から最適な販路を分析する作業で、特に精緻なペルソナ(購買者となりえる理想のお客様のプロファイル)から顧客に刺さる「ブランド価値」を作り上げる活動です。精緻なペルソナの役割は、商品提供者内の共通の認識をもたせるインナーブランディング、ユーザーの深層心理を探るアウターブランディング、製造工程の生産性向上や、プロモーション活動を絞り込むことによるコスト削減につながります。
日本酒は、日本列島固有の各地域の山地と水田といった、二つの象徴する風景を基礎に、その土地独自の文化や深い伝統が刻み込まれた土着性の強い酒なのです。その始まりは神々と関係をもち、伝統的な文化領域に発展し、その土地の生活空間と切り離すことはできません。日本酒の世界観は、その土地、人々、風景、手仕事の技術を結びつけた、フランス人が言うところのテロワールなのです。テロワールは、一般的な日本列島のことではないのです。
日本各地域のテロワールは、グローバリゼーションの過当競争による市場の中で、選ばれる良質な商品として差別化できる優位性を持っていることです*。今後のマーケティングにおける重要な視点は、現在フランスで流通している日本酒はどのような酒なのか?それに対して自社の提供する日本酒にどのような価値を付与するのかを自らに問いかけることなのです。
※参考文献:「酒 日本に独特なもの」ニコラ・ボーメール著