テロワールを旅する。ロングフレッシュ。
ワインの故郷
テロワールは、食文化やその分野の文学などで使われるフランス独特の言葉です。日本語では、それに当たる言葉はないのですが、その地域の人々の営みを含めた広い意味で「故郷」と言い換えることができるかもしれません。ブルゴーニュの名料理人であった、ベルナール・ロワゾーは「人と自然の繋がりの中にこそ”食の根源”がある。」とテロワールを表現しています。
ぶどうの木、ワインは大いなる神秘である。
植物界において唯一ぶどうの木だけが大地の本当の味わいがどのようなものであるか。
私たちに理解可能なものにしてくれる。
表現としてなんと正確なのだろう。
ぶどうの木はぶどうの実を通して土地の秘密を感じ取り表現する。
燧石は生き生きとして滑らかで滋養分に富んでいることが
ぶどうの木を通して、私たちにわかる。
不毛な石灰岩はワインとなって黄金の涙を流すのだ。
女流作家シドニー=ガブリエル・コレットは「牢獄と天国」の中で、ぶどうの木をこのように記しています。この美しく広がる情景こそがテロワールなのです。
コラムの目次
- 「ロングフレッシュ」でAOCを旅する 1
- ぶどう品種を楽しむ「ロングフレッシュ」
- 「ロングフレッシュ」でワインと料理の関係 1
- 土壌の多様性を知る「ロングフレッシュ」
- 「ロングフレッシュ」で知るワイン法の本質
- ワインは「ロングフレッシュ」で、生鮮食品管理
- 進化するボルドーには「ロングフレッシュ」
- ワインの長旅を癒す「ロングフレッシュ」
- 「ロングフレッシュ」はワインの新常識
- 自然派ワインには「ロングフレッシュ」
参考文献
- アレック・ウォー「世界の料理・ワインと酒」江上トミ監修
- アレック・ウォー「わいん-世界の酒遍歴」増野正衛訳
- ロジェ・デュオン「ワインと風土―歴史地理学的考察」福田育弘訳
- ロジェ・デュオン「フランスワイン文化史全書 ― ぶどう畑とワインの歴史」福田育弘訳
- クリスチャン・R.サン・ロッシュ「ソムリエ―ワインとスピリッツにかける情熱」山坂法道監修
- ジルベール・ガリエ「ワインの文化史」八木尚子訳
- ジャン=ロベール・ピット「ワインの世界史」幸田礼雅訳
- ジャン=ロベール・ピット「美食のフランス」千石玲子訳
- ジャン=ロベール・ピット「フランス文化と風景」高橋伸夫ら訳
- シドニー=ガブリエル・コレット「コレット著作集」川口博ら訳
- シドニー=ガブリエル・コレット「コレットの地中海レシピ」村上葉 訳
- ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン「美味礼賛」関根秀雄訳
- キュルノンスキー/ガストン・トリース「美食の歓び」大木吉甫訳
- フェルナン・ブローデル「地中海」浜名優美訳
- ベルナール・ロワゾー「香り立つ料理」辻調理師専門学校
- ベルナール・ロワゾー「SUPER TEACHERS―明日への船出」日本放送出版協会編
- マルセル・ラシヴェール「ワインをつくる人々」幸田礼雅訳
- デスモンド・スアード「ワインと修道院」朝倉文市訳
- ヒュー・ジョンソン「ワイン物語」小林章夫訳
- Jancis Robinson「WINE COURSE」
- ジャンシス・ロビンソン「ワインの飲み方、選び方」島田精治訳
- アレクシス・リシーヌ「新フランスワイン」山本博訳
- プロスペル・モンタニュ、ロベール・J・クルティーヌ「ラルース料理百科事典」山本直文ら編
- ジョルジュ・オーギュスト・エスコフィエ「エスコフィエ フランス料理」角田明訳
- 麻井宇介「ワインづくりの四季」
- 稲保幸「ワイン賛歌」
- 平野雅章「日本料理探求全書」
- 平野雅章ら編「日本料理秘伝集成」
- 平野雅章ら編「 」
- 住井すゑ「生きるとは創造するもの」
- 中沢新一「野生の科学」
- 福田育弘「ワインと書物でフランスめぐり」
- フィラディス編「フィラディス実験シリーズ」
- 日本ソムリエ協会 教本 2022